ベースの指弾きで最も一般的な「2フィンガー奏法」において、非常に重要になるのがピッキング時のミュートです。ミュートの精度によって、音の説得力は劇的に変わります。今回は、ミュートを兼ねた奏法である「アポヤンド」について解説します。

アポヤンドとは

アポヤンドとは、ピッキングした指がそのまま隣の弦(一つ上の太い弦)に触れて止まる奏法です。

弦の呼び方:
上の弦:自分に近い、太い弦(4弦側)
下の弦:自分から遠い、細い弦(1弦側)

具体的には、1弦を弾いたら指は2弦に、2弦を弾いたら3弦に触れて止まります。これにより、弾いていない弦を物理的に押さえ込むことができ、確実なミュートが可能になります。

交互に触れておく意識

2フィンガーでは人差し指と中指を交互に使いますが、どちらかの指が常に弦に触れている状態を目指しましょう。「弦に触れていない瞬間を作らない」ように指を入れ替えることで、余計な共鳴を防ぐことができます。

親指の位置と移動

アポヤンド奏法をマスターする上で最も重要なのが親指の位置です。親指もまた、低音弦をミュートする重要な役割を担っています。

ミュートを兼ねた親指の3つのポジション

  • ピックアップの上:4弦や3弦を弾く時の基本位置。
  • 4弦の上:2弦や3弦を弾く時に移動。4弦を確実に消音します。
  • 3弦の上:1弦や2弦を弾く時に移動。親指で3弦を、親指の側面や背中で4弦に触れて両方をミュートします。

親指とピッキングする指の距離が開きすぎると、低音弦の共鳴を止められず音が濁る原因になります。ピッキングする弦に合わせて、親指も柔軟に移動させましょう。

アポヤンド奏法の弱点と対策

アポヤンドは「弦を下がっていく(高音弦へ向かう)」動きには強いですが、「弦を上がってくる(低音弦へ向かう)」動きの際には、親指でのミュートが追いつかない場面があります。

ポイント:
右手のミュートが物理的に難しい場合は、遠慮なく左手(押弦していない指)を使ってミュートしてください。特に開放弦を多用するフレーズでは、両手を組み合わせたミュートが不可欠です。

おわりに

アポヤンド奏法の基本は、ピッキングした後に隣の弦に指を留めることです。最初は「どの指でどの弦を触れているか」を強く意識する必要がありますが、無意識にできるようになれば、左手の負担は格段に減り、音の輪郭がはっきりしてきます。まずはこの奏法から指弾きの基礎を固めていきましょう。