ミュートとはズバリ、音を消すことです。弦の振動を抑えることで音が止まります。ミュートには「音を消す」ことと「音色を変える」ことの2つの役割があり、シチュエーションによって使い分けが必要です。

ミュートができるようになると休符を扱えるようになり、音価(音の長さ)のコントロールに繋がります。ベースにとって休符をコントロールできるかどうかは、演奏の締まりを左右する死活問題です。

左手のミュート

音を止めるためのミュートは、基本的に左手(押弦する手)で行います。

押弦のミュート

フレットから弦を離すことで音を止めます。この時、指を弦から完全に離さないことがポイントです。弦から指が離れてしまうと、意図せず開放弦が鳴ってしまう原因になります。

基本は指1本でも可能ですが、5フレットや7フレットなどハーモニクスが出やすいポジションでは音が止まりきらないことがあります。その場合は触れる指を増やすことで確実に消音できます。

開放弦のミュート

開放弦を鳴らした後に止める場合は、人差し指から小指までの4本の指を弦に触れさせるようにすると、より確実に、綺麗にミュートできます。力が入りすぎると逆に押弦して音が鳴ってしまうため、リラックスして触れることが大切です。

右手のミュート

右手のピッキング時にもミュートを意識する必要があります。

共鳴を防ぐ親指の活用

1・2弦を弾いている時に3・4弦が共鳴して音が濁ることがあります。左手でカバーしきれない場合は、右手親指を移動させて不用な弦に触れることで共鳴を防ぐことができます。

パームミュート

パーム(手のひら)をブリッジ付近の弦に当ててピッキングする方法です。手のひらの当て具合で音の減衰を調節でき、指弾きとは違った独特の音色が得られます。

[Image demonstrating palm muting technique at the bridge of a bass guitar]

ロッコスタイルのミュート

Tower of Powerのロッコ・プレスティアに代表される奏法です。左手の人差し指と中指で押弦しつつ、同時に薬指と小指でミュートをかけます。これにより、パーカッシブでミュートの効いた16分音符のラインを奏でることができます(参考:Tower of Power - What is Hip)。

さいごに

楽曲のグルーヴは、ミュートの質で大きく変わります。不用な弦を鳴らさないことや音価をコントロールすることは、ベース演奏における最重要要素の一つです。

音を止めるタイミングもリズムの表裏に影響するため、発音と同じくらいシビアに練習する価値があります。ミュートをマスターすることで、あなたの演奏はより「カッコいい」ものへと進化するはずです